先日、渋谷で開催されているミロ展に行ってきました。
今回の展覧会はミロと日本との関係に焦点を当てた企画で、彼の日本から影響を受けた作品、彼の所持していた日本の民芸品、批評家の瀧口修造との交流など、大変興味深い展示がたくさんありました。
シュールレアリスムの画家として知られるミロが、早くから日本やその文化に興味や憧れを持っていたことは全く知りませんでした。
ヨーロッパに日本文化が紹介された当時の作品には、浮世絵や扇子などわかりやすく日本的なモチーフの入ったジャポニズム的なものもありました。しかし後年、実際に日本と交流を持つようになってから、「日本の文化から受けた刺激を、彼なりに時間をかけて昇華させた」作品の数々がとても印象的でした。水墨画を思わせるような絵画や巻物(!)など、彼独自のスタイルが違和感なく日本風のものと融合していました。
また彼は、生涯を通して絵画だけでなくコラージュや彫刻、文学、また他分野との共同制作など、多彩な表現の可能性を追求した人でもありました。日本からの影響を受けた作品も、そんな作品の中の一つだったのではないかと思います。
数々の作品を見ながら、私が留学中に訪ねた、スペインのマヨルカ島にあるミロ財団の美術館を懐かしく思い出しました。
※ちなみに、ミロの絵画からインスピレーションを得たピアノ曲を、以前のブログで紹介させていただいています。宜しければご覧ください。