このブログを検索

2021/09/29

演奏動画:「Kiku」(A. ロンパネン)

少し更新が空いてしまいました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、先日フィンランドのタンペレでは、ピアノコンクールが開催されました。第二次予選では、3曲の現代音楽からひとつを選択して演奏することが求められ、その課題曲のうちのひとつが今回ご紹介する作品、アリ・ロンパネンの「Kiku」(菊)です。

 


よく聞くと、出だしの部分は以前紹介したことのある「Convolvulus」(昼顔)とそっくりですね。昼顔から菊への変身、といったところですが、雰囲気も構成も全く違うものに仕上がっています。沢山の花びらが集まって丸くなったように、左手の細かな音が絶え間なく周回し、その上に神秘的な右手のメロディーが浮かびます。


菊と言えば桜と並んで日本の国花であり、皇室の象徴、パスポートの紋章にも使われている、高貴さを象徴する花ですね。(身近なところだとどうしてもお葬式の花を連想してしまいますが、尊さゆえに使われるということで、花自体に死者を弔う意味はないということを、初めて知りました…)

こちらは、先日いただいた、中秋の名月にちなんだブーケ。真ん丸の菊は、満月そっくりですね。

ちなみに、偶然か否か、コンクールの舞台に飾られた花の中にも、真っ白な大振りの菊の花がありました。 

先日9月25日と26日に、二次予選に出場した参加者のうち4名によって初演されました。その中から、Tähe-Lee Liivさんの演奏をご紹介します(Kikuの演奏は54:25~)。映像は10月19日まで公開されるということですので、また違った解釈の演奏を是非お楽しみください!