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2021/04/09

ピアノのための「ラチェルタ」

さて、4月7日のかわさき区ビオラコンサートでは、私の作曲した短い曲「Lacerta」も演奏させていただきました。

Lacertaとはラテン語でトカゲ座のことなのですが、演奏会当日のMCで「家の庭に時々現れるヤモリから着想を得た」と説明した際、ヤモリがなぜ星座であるトカゲ座に結びついたのか、矛盾が残ってしまったことに気づきました…。

そんなわけで、今更ですが、タイトルや曲の雰囲気を決めるきっかけになった、エピソードを共有したいと思います。

昨年の夏、実家の庭の菜園にしかけられていた虫取りテープに、1匹のヤモリがかかってしまいました。救出しようとしたのですが、しっかり張り付いてしまって、簡単には剝がせません。助けたときにはすっかり弱ってしまい、そのまま息を吹き返すことはありませんでした。

私は死んだヤモリを土のくぼみの上に横たえ、傍に咲いていた花を上におきました。その後様子を見てみると、ヤモリの周りに無数のアリが群がっており、更に数時間後には、彼らに運ばれたのか、そこにヤモリの姿はありませんでした。

きっと今頃、夜空の星となって再び自由に走り回っているかもしれない…。

自然の沙汰を間近で見て、感慨深く思った記憶です。